一人の青年が街を歩いていた。
どうやら彼は仕事帰りのようで家路を急いでいるようだ。

しかし

ババァン

突如背後から撃たれ殺害されてしまう。
黒い帽子とマントで姿を隠した何者かは遺体を回収するとその場を去った。

所変わって公園の一角で一組のカップルがいい雰囲気になっていた。

ところが

ドゴオッ ババァン

同じく黒帽子とマントで姿を隠した人物に強打された上に撃たれて殺害されてしまった。
そして犯人は同じように遺体をどこかに回収していった。

奴の犯行はあちこちに広がり、保安官にも死傷者が出るなど被害は拡大の一途をたどった。
いつしか巷ではリーパーと呼ばれ、街ではこれを受けて不要不急の外出を控えるよう住民に呼びかけられた。

そんな中サニーは買い物に出ていた。
しかし彼女の元にもリーパーの魔の手が忍び寄っていた。
そしてリーパーはサニーに手を掛けようとした時だった。

「!?」

リーパーはサニーに感づかれそのまま背負い投げをされた。
「捕まえたわよリーパー!」
サニーはドスの効いた声でマシンガンを向け詰め寄った。

「俺の仕事を邪魔するとはいい度胸だな!」
リーパーはサニーを振り切るとライフルを構えた。

「仕事って殺し屋は犯罪と同じよ!」
サニーは再びリーパーに詰め寄った。

「俺は殺し屋をやってるんじゃない。葬儀会社をやってるんだよ。」
リーパーの言葉にサニーは目を丸くした。

「俺は今まで数々の故人を見送ってきた。けど最近は葬式をやらない家庭が増えて金に困ってたからこうして仕事を確保しようとしてんだ。」
あまりに身勝手な動機にサニーは怒りに震えた。

「貴様のやってることは快楽殺人と一緒よ!!」

ドゴォッ

「ぐはぁっ」

サニーはリーパーを殴り飛ばすとマシンガンを向けた。

そして

ドドドドドドッ

サニーはマシンガンを撃ち続けた。これなら流石に動けなくなるだろう。サニーはそう思った。
しかしリーパーは何事もなかったかのように起き上がるとこう言った。

「正義のツラした気違いさんよお、今すぐ葬式出してやるからな!!」
リーパーはサニーを殴り飛ばすとライフルを向けた。
「砕け散れ!俺の仕事になって焼き尽くされろ!骨になって埋葬されろ!!」
リーパーは激しく罵り、サニーが攻撃できなくなるのを目論んだ。

しかしサニーは一瞬の隙をついて反撃に出た。
「何が仕事よ!葬式をやりたいがために人を殺して楽しむなんてそんなの生きてるだけで迷惑なのよ!!」
サニーは拳のラッシュを容赦なく浴びせた。サニーの猛攻にリーパーは劣勢になる。

そして止めのパンチで吹っ飛ばされると坂を転げ落ち、そのまま川へと落下した。
しかしリーパーは川から登り出ると何処かへと姿をくらましていった。彼はその後どうなったのか、そして彼の逃げた先で被害が出ているのかは誰も知らない。

終わり

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